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継承語教育

継承語教育とは何ぞや、、、そこからスタートしました。

継承語とは、"Heritage Language”の日本語訳です。1988年に言語学者である中島和子氏により訳されましたが、まだ比較的新しい研究分野でもあるそうです。継承語は、異言語環境で親から子供に伝えられる言葉のことであり、「母語」と「外国語」といった区分ではなく、「継承語」と「現地語」に分類されます。我が家の場合、日本語が「継承語」、ドイツ語が「現地語」となります。継承語教育の特筆すべきは、言葉だけでなく、文化も育て、日本人としてのアイデンティティーを継承する教育だということでしょう。

この言葉を知ったのは、今年7月。継承語教育にも造詣が深い小野氏に、お話を伺う機会がありました。小野氏は、アメリカのアメリカの某アイビー・リーグで漢文・古文を、そしてプリンストン日本語補習校で教鞭を執っていらっしゃいます。(その後、ぜひまたお話を伺いたいという要望が強く、彼女が8月にアメリカに戻られる直前にも我が家で15名ほど招いて、話し合いの場を設けさせていただいた経緯もあります。)

小野氏の経験に裏打ちされたお話には真剣に聞き入ってしまいました。海外生活をしながら育児に携わる私たちにとってはまさにドンピシャなお話。バイリンガルに育つ子供たちが、言語だけでなく、総合的に文化なども学び、自分のルーツを確認しながら、アイデンティティーを構築していくことが、継承語教育の目的でもありますから。

あまりにも良い話だったので、その学んだことをさらに発展させ、同志で集まって情報交換をしながら勉強会をできないものだろうか、という話がすぐに持ち上がりました。ただ、果たして、私も含めて子育てで忙しいお母さんたちがどこまで出来るのだろうかという不安はあったのですが、それをこの度、友人が実行に移してくれました。発案、企画、場所決め、人数調整、議事進行などなど、一挙に引き受けて遂行してくれたYさんには感謝です。

勉強会の場所はCulturladenという市の所有する建物内。そこへ17名ほど集まりました。初回は、自己紹介を含め、勉強会に期待することを述べ、意見交換をし、方向性を見極めるといった流れ。継承語に関して、簡潔にまとめてくださったハンドアウトも小野氏のお話を記憶によみがえらせるのに役立ちました。次回までには、中島和子氏の「バイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができること」の一章を読み、疑問点などを話しあう予定になっています。

海外で子育てに携わる者として、同じ悩みを持つ人たちと情報交換するだけでも大変心強いのですが、親子間の努力だけでは難しいと思われる継承語教育を、どう行っていけばよいのか、日本語環境をいかに整えてあげられるか、といったことを真剣に考えていらっしゃる方々との交流は、非常に刺激になります。今後、この勉強会を通して、どういったヒントがえられるのか、楽しみにしているところです。

Nは、今の幼稚園に通うようになってから一年ちょっと。ドイツ語がすっかり上達し、独り言やLに話しかけるときもドイツ語になりつつあります。日本語はハキハキと話すせいか上手に聞こえるものの、「三個しかある」「Lにクイズをあげてるの」「黒い髪の毛がある」と変な日本語も飛び出しています。きっと、今が最初の踏ん張りどころなのでしょうね。今後は、ますます日本語に対する興味を失い、「なぜ私は日本語を学ばないといけないの。」といった疑問もわいてくる時期にさしかかり、泣きながら補習校の宿題をするといったこともあるのかもしれません。でも、バイリンガルであることのメリットは大きいですし、何よりも自分の文化を誇りに思い、胸を張って生きていける子になって欲しいと心から願っているので、親も頑張るのみです。

Benkyokai

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コメント

継承語教育。初めて知りました。
国際結婚で、海外に住み羨ましい限りですがそのような、現実問題もあるのですね・・。

日本の文化や、自分のルーツを知る事は大切ですが、ドイツで生活しているとなかなか難しいのでしょうね・・・。
   でも、勉強会で情報交換ができるようになり、心強いですね!

それにしても、ハイジさんの周りに国際結婚された方が17名(少なくとも?)もいることにも驚いてしまいました(汗)

投稿: mihoko | 2011年11月17日 (木) 09時18分

mihokoさん、自分も子供の頃に、父の仕事の関係で日本とアメリカを数年ごとに移り住んだのですが、当時は子供心にも辛いなぁと感じていました。アイデンティティが揺らぐような時期もありましたが、今となっては、日本語や日本文化を大事にしてくれた両親に感謝しています。同じように、娘にもしっかりと自分の文化・言葉を継承していきたいと思っています。日本に居たら、きっと固執しなかったかたでしょうけれど、こちらに住んでいると、余計に日本語・日本文化の素晴らしさが身に沁みるんですよね。
そうそう、ちなみに、国際結婚だけでなく、駐在の方々もいらっしゃるんです。それにしても、そろそろ国際結婚が珍しい時代ではなくなってきたのかもしれませんね。

投稿: ハイジ | 2011年11月17日 (木) 23時44分

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