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理解語彙と使用語彙

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月に一回の継承語の勉強会に参加してきました。

 

毎回、 子供の言語教育に関するヒントをもらっていますが、今回も興味深い話を聞くことが出来ました。
 
 
 
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NもLも現地校や現地の幼稚園に通っているのに加え、夫と話すときはドイツ語なので、どうしても日本語で会話をする時間が限られてしまいます。日本語に触れる時間が圧倒的に少ない中で、日本語を上達させるためには、子供の耳に自然な形で、質の高い、生きた日本語を吹きこんであげることです。普段の生活を送るにあたっては、限られた語句や表現で間に合ってしまっているのが現実ですが、その点を工夫するのが、海外在住の親の腕の見せ所なのかもしれません。
 
語彙を増やすためには、自らの体験を通して、状況・文脈の中で言葉を学んでいくのが理想的なのでしょうけれども、時間や労力を省くためにも、疑似体験の出来る読書が最適な方法だと言われています。幅広いジャンルの本を読むことで、語彙や言い回しは自然に増えていきます。親としては、年齢や興味に見合った本や雑誌がすぐに読める環境を整えてあげるなどの工夫が必要だそうです。
 
また、親も子供の成長とともに、自分の語彙レベルを上げて話す努力が必要なようです。例えば、子供に対して「早くして。」と急かす場面で、「迅速に」「ただちに」「大至急」「さっさと」「目に留まらない速さで」などを代用するのも有益だそうです。ただし、難解な言葉を立て板に水のごとく浴びせかけるのではなく、学ぶ時の「+1の法則」に従い、その子のレベルより少しだけ難しいぐらいの事を徐々にインプットしてあげるのが鉄則のようですね。
 
 
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言葉のインプットに対し、アウトプットに関してですが、読んだり聞いたりした新しい語句を、自らが使いこなせるようになるためには、別の訓練が必要になるようです。「理解語彙」とは、「自分が見聞きして意味が分かる言葉の集まり」であるのに対し、「使用語彙」とは、「自分が使うことのできることばの集まり」だそうです。(Wikiより引用) 6歳の子の理解語彙はおよそ5000~6000語ほど。20歳ではおよそ4万5000~50000語ほどだそうです。辞書が登載されている語彙量は、およそ6万~10万語程度だそうです。興味深いのが、理解語彙が多いからとて、使用語彙が多いとは限らない点です。というより、使用言語は、理解語彙の約6分の1の総量にとどまっているのです。人とのコミュニケーションにおいて、やはり自分の意見や気持ちを適格に表現し、表現力豊かによどみなく話せるようになるためには、使用語彙が大事と言えますが、子供の使用語彙を増やすためには、どうしたらよいかというのが次回の勉強会の一つのテーマでもあります。
 
 
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子供の言葉のアウトプットを増やすために、何が出来るんだろう、、、取り急ぎ、思いついたことをつらつらと綴ってみます。
 
  • 話す・伝えることに対するモーティべーションつくり。
  • 聞き出すこつ。(学校の様子を聞き出すときに、「どうだった?」ではなく、具体的な質問を。)
  • 聞き上手になるために、相手の気持ちをくむ、ニーズを見極める。(男女の違いもあるかもしれないが、アドバイスではなく、まずは共感を。)
  • 真実・思いを伝えたいという人間の本能を刺激すべく、当てずっぽうを言ってみる。(現に、私が間違ったことや頓珍漢なことを言うと、Nは嬉しそうに「違うよ~。」と指摘することがあります。)
  • 読書の後に、感想を友達と述べあう。
  • 暗唱や黙読の導入。(ドイツ語は韻を踏む、リズミカルな言語であることもあるのか、授業でも暗唱がよく取り入れられている。)
  • 自発的に暗記が出来るような、俳句、歌、語呂のいい文章、キャッチーなフレーズ、などの活用。
  • ニュースを聞くもよし、映画を観るもよし、その後に、家族で話し合う。
  • 特に学習言語に関しては、ディベート/ディスカッションを行う。(この際、発話に集中しすぎると、意味や論点がぼやけそうなので、バランスも必要だし、単発の発話にとどまらないようインタラクションへと発展させるための大人の誘導も大事かと。)
と自分自身にしか分からないような殴り書きをしてみましたが、何が効果的なのでしょうねぇ。。。子供の性格などによっても異なる気がしますし。他の方々がどのような工夫をされているのか、興味深いところです。
 
ちなみに、友達と話していたことなのですが、お互いにお喋りではないのに、互いの長女達は積極的に話すタイプ。親が少し口をつぐんで聞き上手になるのも、子供がお喋好きになるのを助長するのかな、、、とも思います。
 
 
  
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ところで、自分の語彙量を調べるために、こんなサイトがあるそうです。http://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/resources/goitokusei/goi-test.html 
私も試したみましたが、かなり恥ずかしい結果でした。私も、一に勉強、二に勉強、、、です。

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コメント

語彙の貧しさは文を書くとよく分かります。気持ちにぴったりの言葉が浮かばなくて、思うように表現できない苛立ち(自分に対して)これは外国で言葉が通じない焦りと苛立ち(自分の力量に対して)に似ているかもしれません。

おなじ苛立ちでも96歳で詩人としてデビューした柴田とよさん(つい先日101歳と数ヶ月の年齢で亡くなりました。)が素直な言葉でこんな詩を遺しました。

先生に

私をおばあちゃんとよばないで
「今日は何曜日?」「 9+9は幾つ?」
そんな馬鹿な質問しないでほしい
「柴田さん、西条八十の詩は好きですか?」「小泉内閣をどう思いますか?」
こんな質問なら嬉しいわ。


子供の成長に合わせて語彙をレベルアップしていくのは大事なことでしょうね。そして親の聞き上手は子供の語彙力を挙げるコツでもあるとおしえられた気がします。

投稿: papaya | 2013年1月22日 (火) 12時55分

papayaさん、そうそう、語彙が思い浮かばない時のもどかしさって私もよく分かります。私の場合、外国語だと、これは外国語だから出来なくても仕方ないでしょ、という開き直りがあったりするのですが、日本語で上手く伝えられない時のもやもや感はなんとも嫌ですねぇ。

Nは、いまだに日本語の方が楽と言っているくらい、ペラペラしゃべっているようには聞こえますが、これからどんどん学校の授業などで抽象語なども増えて、論理的に説明する必要も増してくるので、これからが勝負所でしょうね。限られた時間内で、いかに効率的に継承語を伝えていくか、、、今後の課題です。

柴田とよさんの詩ですが、日々切磋琢磨する方の生きた言葉には芯の強さと負けん気を感じ、励まされますね。

投稿: ハイジ | 2013年1月22日 (火) 18時40分

こんにちは。
語彙を増やす!日本に住んでいても難しいですよね。そろそろ私も意識してYとお話してみます。私自身、私の料理のように単純で直球のみですから、もっと関心を持って種類を増やし、自分なりにアレンジしたいところです。

余談ですが、岡山出身の私の妹はポーランド人男性と結婚し、神戸で男児を育てています。父はできるだけポーランド語を教えようとし、母は岡山弁でなく日本語を話していますが、幼稚園に行くようになり父母は話さない関西弁が母国語のようです(笑)

言葉・・楽しく学んで欲しいですよね。

投稿: yellowcow | 2013年1月23日 (水) 08時09分

yellowcowさん、YくんやLの年齢だと特に、単純・直球で話しかけることはとてもいいのでしょうね。Nがいると、私はついNに併せた話し方(単語やスピード)をしてしまうことが多く、Lは話についてこれずおふざけを始めて会話を邪魔することがあります。逆にLに適した単文で話していると、Nは余計な口をはさんできたりして。なかなか難しいですね。二人目は上の子のおかげで話すのも早いとも聞きますが、我が家の場合は、そうでもないようです。

妹さんのお子さんは、ポーランド語、標準語、そして関西弁の環境なんですね。でも、やっぱり友達が話す言葉が強くなっていくのでしょうね。ポーランド語は、お父様以外にも話される方が近くにいると(ポーランド人コミュニティーやポーランド・日本人クラブ、ポーランド商工会議所とか)持続しやすいのかもしれませんね。私一人で子供に日本語を伝えるのは限界を感じている今、補習校や日本人コミュニティーの力に有難味を感じています。

投稿: ハイジ | 2013年1月27日 (日) 23時18分

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