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子供の身を守るために

Wode_3
Selbstsicherheitsschulungという、安全対策コースに参加。

安全対策や危機管理、いじめ対策の話と、護身術的な身を守るためのトレーニングを組み込んだコースが、四日間(木・金は3時間ずつ、土・日は5時間ずつ)に渡り、行われました。学校を通して案内が届いたのですが、Nが通う学校の1年生から4年生までの児童が25人と、その保護者を含め、総勢50名がホールに集いました。 
 
初日は、Nと私が参加してきましたが、教員や心理学者と連携しつつ設立されたこのWO-DEの考えや講師の経験に基づく話、子供たちが参加型のロールプレイを取り入れながらの指導は、否応なく親をも引き込んでいきました。この日の講師は、過去には警察の特別捜査隊に勤務、人質救出部隊の熟練話者でもあり、柔術・空手の8段マイスターも取得している人。子供たちの名前を即座に覚え、コの字型に座らせ(親はその後ろに着席)、私語はもちろん余所見も不可、質問するときには挙手、返事は「OK(うん)」などではなく「Ja(はい)」、声は大きく、を徹底させていて、最初はまるで軍隊のような緊迫した空気に心地悪さを感じましたが、でも、その一貫したスタイルに、子供たちもちゃんとついてくるようになる様子が明らかに見てとれました。
 
簡単な自己紹介の後には、「不安(な気持ち)は大事。不安だと用心深くなるから。」、と自分の感情を認める事からはじまりました。そして、見知らぬ人に声をかけられた時の対応策を話し合いました。「子供が保有する一番の武器は『No』と言うこと」でもあり、「話すこと」でもあるという前提にたって、声をかけられたときに、どのように返答すべきかを話合ったり、講師と生徒が真ん中に立って状況ごとにデモをしたりしました。実演のときの子供達の様子といったら、緊張した面持ちで前のめりになって見ていましたね。実際にこういうことを一回でも経験しておくと、万が一の時の心得ができると思いますし、普段の時の自信にもつながるのでは、と思わされました。
 
ある時は、1年生の女の子が自分の体験談を話しました。「Noと言っても、効かない時はどうすればいいの?学校で二人の男の子がお尻を触ったんだけど、ヤダって言ってもやめなかったの。」と、おそらく勇気をもって話したと思うのですが、「おしり」という言葉に反応してなのか、プッと吹き出した子が二名ほどいました。すかさず講師は「なぜおかしい。」と二人を咎めていました。笑うことによって、物事を軽く水に流す風潮はどこにでもあるのでしょうけれど、この講師もしかり、先生も親も曖昧さを断固として許さない、単なるイタズラや子供同士のトラブルとしてではなく、重大な問題として捉えよう、という姿勢があるように感じます。ともかく、嫌がらせが続くときには、すぐに先生や親に話すこと、だそうです。
 
初日は、路上での危機管理の話がメインで、いじめ対策については少ししか触れなかったのですが、一つ学んだのは、上級生に物をせびられた場合、まずはノーと言い、その後は戦うのではなく、渡すことだ、とのことでした。物より体が大事だと。「Streit nicht stattgefunden hat, ist ein guter Kampf.(争わぬが勝ち)」ということのようです。
 
先生は、子供たちに「誰になら何でも打ち明けられるか?」と尋ねていましたが、子供はとかく自分の身に起きたことで、自分を責めたり、混乱してしまったり、親に心配をかけまいと隠す傾向があるので、常日頃から、双方向になんでも話し合える信頼関係をきづいておくことの重要性をも説いていました。
 
また、細かい注意もありました。例えば、「ランドセルの表側には名前を書かないこと」「子供が誰となら車に乗ってよいか、子供と一緒にリストを作っておくこと」「緊急電話番号リストを子供と確認しておくこと」「電話では名乗らず、『Hallo(もしもし)』と出ること」などです。
 
初日は、理論中心だったのですが、2日目以降は、参加した夫によると、護身術のトレーニングをふんだんに取り入れていたようです。そうこうして四日間無事に終わりましたが、全体的に見て、もう少し踏み込んだ話し合いがあっても良いかとも思ったのですが、1年生から4年生を対象とした内容としては、これぐらいが適当なのかもしれません。(その場では触れられなかった統計データ等に関しては、後日メールで情報が届きました。) ちなみに、HPには、コース終了後、成果を達成していないと思われる場合、無償で履修することが可能。」と明記されています。さらに高学年用のコースもあるので、いずれまた受講したいと考えています。
  
 
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※写真はHPより転載。
文科省の取り組み と比べると、ずっとこじんまりとしていますが、より現実的かつ実践的で、子供の立場にたった措置なのかもしれないという気がしています。

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コメント

いあや~読んでいて感心しました。
このままそっくり日本の文科省、教育委員会、学校の先生に配布したいくらい。

最近の教育界、先生の体罰が問題になっています。とくにスポーツにおける有名校で顧問の先生が生徒に、失敗をしたといっては蹴り上げ、発奮させるためと言っては平手で殴り、鼓膜まで破られた生徒がでています。問題の学校は大阪名古屋です
が、全国で起きているのかもしれません。

子供の身を守るために、先ず先生を指導しなければならないなんて情けないよね・・・。

親子、先生を取り込みこのような専門家による実践的な講習講座がもたれるなんて、素晴らしいと思いました。
司馬遼太郎によると、いじめは日本人の体質とありましたが、人間であるかぎり程度はちがっても万国共通の問題ですね。

投稿: papaya | 2013年1月30日 (水) 03時45分

papayaさん、いじめは万国共通、、、悲しいことですね。「いじめは日本人の体質」というのも色々と考えてしまったのですが、妬み・逆恨み・異色のものに対する拒否感といったものは強いのかもしれませんね。苦しい思いをしてこそ一人前、といった「しごく」姿勢も他国とくらべてより顕著な気もします。
でも、こちらでの小学校でも休み時間中に、蹴飛ばされた、いじめられたといった話は聞きます。Nがもしそういった問題を抱えた時に、ちょっとしたサインを見逃さないでいてあげたい、いつでも話し相手になるよという姿勢を持った親でありたい、と思いますね。

投稿: ハイジ | 2013年2月 3日 (日) 23時16分

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